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アルバトロスすきやき

2010年09月04日


世の中で一番うまそうなすき焼きというと、やっぱり「死の翼アルバトロス」の冒頭に出てくるあれだろう。
宮崎アニメに出てくる食い物の魅力は、最早池波正太郎に並ぶのではないか。
リアルタイムで見た頃は、ルパン達がわざわざヨーロッパまで来てすきやきを食べるのはギャグの一種なのかと思っていたが、最近になってようやくあれはルパンというか宮崎駿流のオシャレなのだと気づいた。
だってあの材料を当時のヨーロッパで手に入れようと思ったらどれだけ大変か。
割り下はもちろんのこと、薄切りのロース肉(当時はそこまで派手な霜降りではない)焼き豆腐、春菊、ネギ、しらたき、ニンジン、えのきにしいたけ。
割り下や豆腐やしらたきは、日本人向けの商店で輸入物が手に入るかもしれないが、肉となるとわざわざ日本から輸入なんかしない、そしてヨーロッパ人は生肉を薄切りなんかにしないのだ。
(最近は日本人や韓国人に向けてそういうサービスしてくれる肉屋もあるらしいが)
カリオストロの時みたいな素寒貧状態ならともかく、一応そこそこ金を持ってるはずのルパンたちがすき焼きの肉を奪いあうのが当時不思議だったのだけど(特に五右エ門、おめえ肉食うのか)、あんなヨーロッパの閑静なリゾート地ですき焼きを食べるために要したであろう手間を思うと、ルパンたちの気持ちが今ならわかる。それこそ王立カジノの大金庫を破るくらいの難易度ではあるまいか。
向こうの肉屋は嫌がって生肉の薄切りなんてやってくれないし(味が抜けるんだそうな)、無理に切らせて刃を汚したりするのもルパンの主義に反する。
多分あのキャンピングカーには自前で調達した新品のスライサーが積まれていたのではなかろうか。
しかも、そこそこきれいな薄切り肉ができるまでに相当失敗したはずだ。
金さえ積めば誰でも出来る「53年もののドンペリを華氏38度で」とかじゃなくて、そういう無駄なバカを嬉々としてやることにダンディズムを見出すのが、宮崎流のルパン解釈なのだろう。
ビールは入れない方がうまいと思うけどな。