Information
オタクの電脳
QRコード
QRCODE
オーナーへメッセージ

浅草のサイクル魔境

2012年11月24日

先日浅草で自転車がぶっ壊れた。夜の七時である。
パンクとかスポークが折れるとかのレベルではない、クランクシャフト(ボトムブラケットとか言うらしい)がぼっきり折れた。
あわててスマホで自転車屋を検索して、ようやく一番近い店に転がり込む。こんな時間の自転車屋には珍しく、なんとかまだ開いてた。
だが店の前まで来て仰天。フツーじゃない。
スナックかなにかを改装して無理やり自転車屋にしてある。
入り口には競輪の半鐘(ジャン)
既成品なんか一台もない。店内から店頭にまで溢れ出る無数の怪しげなパーツ。
のっそり出てきた熊みたいなオッサンにダメ元でお願いしたら、気軽にOKをくれる。
いくらになるか聞いたら「まあ5000円しないくらい」とのお答え。
車体を預けて連絡先を伝えようと思ったら、そんなのいらないと言う。明日の夕方にはできてるので、取りに来てくれとのこと。
なんてアバウトなんだと思って翌日電車で行ってみると、おどろくべきことに店は無人。ピカピカになった自転車は怪しげなパーツ類と一緒に施錠されてメモ書きが一枚。
これがなんと競輪の投票券の裏。そこに書いてあった携帯番号に電話すると、どっかで一杯でもやってるらしき声。
「その鍵の番号は●●●●だから、開けて勝手に持って帰ってくれ。他もあちこち直したので、お代の5000円はポストによろしく」
商売っけゼロ、というか、不況まっただ中なこの世知辛い21世紀の東京で、ほとんど民話みたいな世界。
半信半疑でポストに5000円を入れ、愛車(安くて便利なジャイアントのR3)にまたがって仰天。あきらかに様子が違う。新車の時のように、いや新品でもこうは調子がよくなかったんじゃないかと思うような見事な手入れ具合。こりゃ10000円でも安い。オッサン何者。
あとから調べたら、そのスジではわりと有名なマニアショップらしい。
偶然が引き起こした、ちょっとした短編小説みたいな出来事にいたく感銘を受けた次第。
きっと自転車が好きで好きで、一番自分にとって幸せな暮らしを選んだ結果なのだろう。羨ましい限り。
宣伝のつもりで騒ぎ立てして、かえってその平穏を乱すのもどうかと思ったんで店の名前は秘すけど(こんなところで取り上げたからって大した騒ぎにもならんと思うけど)興味があったら調べてみそ。



同じカテゴリー(ヒンドゥー)の記事画像
邂逅
出落ちジーザス
キャッスルビルの謎のおっさん
相撲界の謎
思い出の味 品川駅前デビ・コーナーのカレーとナン。
思い出の味(大井町「肉のまえかわ」の牛刺し)
同じカテゴリー(ヒンドゥー)の記事
 邂逅 (2013-11-23 17:17)
 出落ちジーザス (2012-07-30 23:29)
 キャッスルビルの謎のおっさん (2012-04-08 22:14)
 相撲界の謎 (2012-03-10 08:28)
 思い出の味 品川駅前デビ・コーナーのカレーとナン。 (2011-10-28 00:00)
 思い出の味(大井町「肉のまえかわ」の牛刺し) (2011-06-30 00:00)